国立中学校はもともと国立大学の実験校として設立されていた歴史があり、大学のノウハウや研究から生まれた最新の教育を受けることができます。
また、授業料が公立と同様に無料のため、学費を大幅に抑えることができ、特に東京都に存在する8校の国立中学校は、高い人気を誇っています。
この記事では、国立中学校の受験を検討する際に知っておきたいメリット・デメリットや、私立中学校との違いについても解説していきます。
国立に限らず、都立中高一貫校や都内の中学校が気になる方は以下のページをご参考ください。
都立中高一貫校の魅力とは?私立中学校との違いや倍率・偏差値は?
Contents
国立中学校とは
国立中学校とは、国立大学法人が運営している中学校のことです。もともと国立大学の実験校として設立されていたという経緯があり、歴史のある学校が多いです。
国立中学校に通うメリットは?
国立中学校はどの学校も倍率が高く人気ですが、なぜでしょうか?ここでは国立中学校に通うメリットを3点紹介します。
学費の負担が少ない
国立中学校は、公立中学校と同様に授業料が無料で、家庭にとっては経済的な負担が抑えられることが大きなメリットです。私立中学校では年間で約100万円ほどの学費がかかることが一般的ですが、国立中学校では寄付金やその他の教育関連費用が発生するものの、トータルの学費は私立中学校に比べて大幅に抑えることができます。
先進的な教育を受けられる
国立中学校では、国立大学の実験校として設立された背景から、大学の最新の研究やノウハウを取り入れた先進的な授業を受けることができます。フィールドワークや討論、グループワーク、科目を横断した授業など、学校ごとに特色ある教育が行われており、子どもたちの個性や創造力を伸ばすための環境が整っています。
附属高校に内部進学できる場合がある
国立中学校の中には、附属高校への内部進学制度を設けている学校もあります。これにより、高校進学時に一般の入試よりも有利な条件で進学できる場合があります。附属高校も中学と同様に学習環境が整っているため、内部進学ができれば、大学への進学など将来の進路にとって大きなアドバンテージとなります。
国立中学校に通うデメリットや受験の注意点
一方で、国立中学校には特有のデメリットや、受験の際の注意点がいくつか存在します。
授業料以外の学費はかかる
国立中学校では授業料は無料ですが、寄付金やその他の教育関連費用がかかり、公立中学校に比べて年間で20万円~30万円ほど高くなる場合があります。
さらに、中学受験に向けては塾に通うことが一般的で、小学3年生から6年生までの受験対策期間で、200万円~300万円程度の費用がかかることもあります。
このように、公立中学校に進学する場合と比べて経済的負担は大きくなる可能性が高いです。
入試倍率が高く、抽選によって合否が決まる学校もある
国立中学校は進学希望者が多く、入試倍率が非常に高くなっています。入試は狭き門であり、合格するためには入念な受験対策が必要です。
また、学校によっては、一次選抜で学力試験を行った後、二次選抜として抽選を行うところもあります。このため、学力とは関係のない部分で合否が決まる場合があり、努力が報われない結果になることも考えられます。
特に兄弟姉妹で同じ学校に通わせたいと考えている家庭にとっては、不確実性が高いことがデメリットとなるかもしれません。
そのため、国立中学校の受験を考えている場合であっても、私立中学校との併願をおすすめします。国立中学校とは異なり、私立中学校であれば完全なる学力勝負なので、努力がそのまま結果に表れる形になります。また、国立中学校の入試の前に私立中学校を受験しておくことで、入試本番の独特な雰囲気を経験することもできます。
教員の異動や教育実習生が多い
国立中学校では、公立中学校と同様に教員の異動が定期的に行われます。大学から派遣される教員や、大学に戻る教員がいるため、毎年同じ教員がいるとは限りません。
また、教育大学や教育学部の附属校であるため、教育実習生が授業をする機会が私立・公立中学校に比べてかなり多いです。このため、教育の質が年度ごとに大きく変化してしまう可能性があります。
知っておきたい国立中学受験と私立中学受験の違い
国立中入試と私立中入試には、大きな違いがあります。どちらを受けるか迷っている場合や併願を希望する場合、それぞれの受験の特徴を知り、個別に対策する必要があります。特に国立中入試に関しては、学校によって試験科目や報告書の重要度も変わってくるので、その違いも含めてしっかり把握しておきましょう。
入試形態 | 入試日程 | 試験科目 | 報告書の重要度 |
---|---|---|---|
私立中入試 | 都内は2/1~2/3が多い | 2科目 or 4科目 | 影響はほとんどない |
国立中入試 | 都内は2/3 | 2科目、4科目、適性検査など 学校によって大きく異なる | 重要視する学校もある |
【2024年最新版】東京都の国立中学校偏差値ランキング
東京都の国立中学校は2024年現在8校存在します。それぞれの中学校の偏差値や倍率、試験科目の違いを表形式にまとめました。
1位 筑波大学附属駒場中学校
創立 | 1947年 |
偏差値 | 73 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都世田谷区池尻4丁目7-1 |
最寄り駅 | 駒場東大前駅から徒歩9分 |
体制 | 男子校 |
形態 | 中高一貫(併設型) |
倍率 | 5.16 |
受験科目 | 国語・算数・理科・社会 |
報告書 | 100/500 |
2位 筑波大学附属中学校
創立 | 1888年 |
偏差値 | 67 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都文京区大塚1丁目9-1 |
最寄り駅 | 護国寺駅から徒歩5分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 中高一貫(併設型) |
倍率 | 3.51 |
受験科目 | 国語・算数・理科・社会 |
報告書 | 42/192 |
3位 お茶の水女子大学附属中学校
創立 | 1947年 |
偏差値 | 50-67 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都文京区大塚2丁目1−1 |
最寄り駅 | 茗荷谷駅から徒歩8分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 幼小中高一貫(併設型) |
倍率 | 男子 1.50 女子4.76 |
受験科目 | 適性検査 Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ |
報告書 | 配点非公表 |
4位 東京学芸大学附属世田谷中学校
創立 | 1947年 |
偏差値 | 59 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都世田谷区深沢4丁目3−1 |
最寄り駅 | 駒沢大学駅から徒歩23分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 小中一貫(併設型) |
倍率 | 非公表 |
受験科目 | 国語・算数・理科・社会 |
報告書 | 不要 |
4位 東京学芸大学附属竹早中学校
創立 | 1947年 |
偏差値 | 59 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都文京区小石川4丁目2-1 |
最寄り駅 | 茗荷谷駅から徒歩9分 |
体制 | 共学 |
形態 | 小中一貫(併設型) |
倍率 | 男子 1.96 女子 2.34 |
受験科目 | 国語・算数・理科・社会・面接 |
報告書 | 配点非公表 |
6位 東京大学教育学部附属中等教育学校
創立 | 2000年 |
偏差値 | 55 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都中野区南台1丁目15-1 |
最寄り駅 | 中野新橋駅から徒歩11分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 中等教育学校 |
倍率 | 4.21 |
受験科目 | 適性検査Ⅰ,Ⅱ 実技 |
報告書 | 配点非公表 |
7位 東京学芸大学附属国際中等教育学校
創立 | 2007年 |
偏差値 | 54-55 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都練馬区東大泉5丁目22−1 |
最寄り駅 | 大泉学園駅から徒歩7分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 中等教育学校 |
倍率 | A方式 4.15 B方式 3.86 |
受験科目 | A方式 外国語作文・基礎日本語作文・集団面接 B方式 適性検査Ⅰ,Ⅱ・面接 |
報告書 | A方式・B方式 100/250 |
8位 東京学芸大学附属小金井中学校
創立 | 1947年 |
偏差値 | 52 |
主体 | 国立 |
所在地 | 東京都小金井市貫井北町4丁目1−1 |
最寄り駅 | 国分寺駅から徒歩21分 |
体制 | 男女共学 |
形態 | 幼小中一貫(併設型) |
倍率 | 非公開 |
受験科目 | 検査Ⅰ・国語検査Ⅱ・算数検査Ⅲ・社会検査Ⅳ・理科 |
報告書 | 配点非公表 |
国立中入試の対策方法
最後に、国立中入試の適性検査対策方法について解説していきます。以下のポイントを押さえて、難易度の高い入試突破を目指しましょう。
過去問で試験傾向を把握する
国立中学校の入試は学校ごとに異なる傾向があります。同じ偏差値帯の学校であっても、出題内容や問題の形式に違いがあるため、それぞれの学校に合った対策が必要です。そのため、まずは過去問を解くことが重要です。過去問を通じて試験の傾向を理解し、それに基づいて具体的な学習計画を立てることで、効率的な受験対策が可能となります。
塾を活用して計画的に勉強を進める
近年の中学受験では、専門的な指導を受けられる塾の利用が一般的となりつつあります。小学校の授業ではカバーされない内容や、単なる暗記では解けない高度な問題が出題されることが多いため、早期から計画的な対策が必要となります。子どもに適した塾を選び、そのサポートを活用しながら受験勉強を進めていくことが、合格への近道となります。
家庭教師の先生に教えてもらう
国立中学受験をする場合、国立中学受験を経験した家庭教師の先生に教えてもらうことが非常に効果的です。
塾に国立中学校のための対策コースがあったとしても、先生が国立中学校出身でないことがあります。
それに対して、家庭教師なら、国立中学校の受験経験や学生生活の経験をお持ちの先生を選ぶことができ、国立中入試ならではの難易度の高い問題の対策はもちろんのことながら、入学後の学生生活までより詳しい話を聞くことができます。
その中でも、おすすめなのが家庭教師のスマートレーダーです。スマートレーダーなら、国立中学校出身の先生が多く在籍しているため、ご自身の志望校に合わせて先生を選ぶことができます。
国立中入試対策ならスマートレーダー
国立中学受験を考えるなら、家庭教師のスマートレーダーがおすすめです。
スマートレーダーなら、国立中学出身の先生が150名以上在籍しており、お子様の志望校に合わせて先生を選ぶことができます。
スマートレーダーとは
「スマートレーダー」は、生徒1人ひとりに合った理想の家庭教師が見つかり、直接契約できるマッチングプラットフォームです。教師の得意教科の評価をAI(人工知能)によって行い、レーダーチャートで表示する日本初のサービスです。
ご家庭の方は家庭教師の指導実績や得意教科の評価、時給や趣味 、家庭教師の出身高校や在籍大学などのタグから最適な家庭教師を見つけることができます。
安心のトラブルサポート
「スマートレーダー」は家庭教師の個人契約で起こりがちなトラブルも防ぐことができます。
一般的な家庭教師マッチングサイトとは異なり、先生との間でトラブルが発生した時に、運営事務局が仲介に入り、トラブル解決のサポートをしておりますので、はじめての家庭教師の個人契約をご利用の方も安心してサービスを利用できます。
また、個人契約にありがちな金銭トラブルに関しても、運営事務局を介して金銭のやり取りを行うため、トラブルを回避することが可能となっています。
オンライン家庭教師にも対応!!
スマートレーダーはオンライン家庭教師にも対応しています。
お家にいながら優秀な学生から様々な知識を教えて頂きます。地方に在住の方も、パソコンさえあれば、東大生の勉強法までも伝授してもらえます!
また、1回1時間から指導を依頼することができます。テスト直前や長期休みの時期に授業を増やすことや、その時期のみの利用など柔軟に指導を依頼することが可能です。
※サービスの特性上、時期によりご要望の先生が見つからない場合があります。
筑波大学附属駒場中学校出身の先生 筑波大学附属中学校出身の先生
お茶の水女子大学附属中学校出身の先生 東京学芸大学附属世田谷中学校出身の先生
東京学芸大学附属竹早中学校出身の先生 東京大学教育学部附属中等教育学校出身の先生
東京学芸大学附属国際中等教育学校出身の先生 東京学芸大学附属小金井中学校出身の先生
まとめ
本記事では国立中学校のメリット・デメリットや私立中学校との違いについて紹介しました。
国立中学校の受験をご検討されている方は、私立中入試とは入試科目や入試日程など多くの異なる点があるため、国立中入試に特化した対策が必須になります。スマートレーダーなら国立中学出身の先生が在籍しているため、国立中学校に絞った対策が可能です。
この記事が、国立中入試をご検討されている方にとって、参考になる記事となれば幸いです。