12月から中学受験は直前期に差し掛かります。受験を目の前に控えた小学生の負担は計り知れません。緊張、不安、ストレス、焦燥など、受験生はかなり大きい精神的なダメージに晒されます。
中学受験の合否を決める大きな要因として、受験当日までの精神の安定、心の持ち方が挙げられます。しかし、まだ小学6年生の子供が自ら俯瞰して、メンタル面を調整するのは大変難しいです。
そこで今回は、受験直前期の過ごし方や保護者がやるべきサポートを解説していきます。
中学受験の直前期の過ごし方
中学受験の直前期の過ごし方は、人によって正解が異なります。本人の性格や気質、成績の状態などを考慮する必要があります。その点に注意した過ごし方を説明していきます。
受験期直前の勉強方法については「中学受験直前期にするべき効果的な追い込みの勉強法とは?」の記事に詳しく書いていますので是非ご一読ください。
今まで習ったことを総復習しよう
中学受験だけでなく、どの試験においても、試験直前期に総復習することは非常に重要です。自分が今まで身に着けてきた知識や解法の引き出しを、一度整理して使いやすい状態にしておくことで入試本番に落ち着いて物事を考えることができるようになります。
また、入試直前期の十分実力が付いた状態で行うことで、学習内容を俯瞰してとらえることができるようになり、中学受験に自信を持つことができるようになります。
塾のテキストや参考書、過去問研究ノートや模試の復習ノートなど自分が力を入れたものがあれば、すべての問題を解く必要は在りませんが、一通り見直して、怪しいところは解きなおすようにしましょう。
自信が付くような問題演習をしよう
中学受験の直前期に必要な勉強量は人によって様々です。早いうちから対策をはじめ、すでに完成している実感のある人から、直前期の追い込みで急激に成績を伸ばす人もいます。
自身の状況にあった勉強量をこなせばいいのですが、ここで注意すべきは、自信を失わない程度の難易度の問題演習を行うことです。難しすぎる問題を解いて、自信を失ってしまうと本来解けていた問題も解くことができなくなります。逆に簡単すぎる問題を解いていても、少し難しい問題が出たときに焦ってしまい解けなくなってしまいます。
その時の自分が少し頑張って解ける難易度の問題を解くようにしましょう。こうして自分はある程度難しい問題でも解けると自信をつけることによって、入試本番時に解けない問題がでても、ほかの問題なら解けるという安心感をもって、次の問題に移ることができるようになります。
入試本番を想定して模試を受けよう
12月には、最後の中学受験の模擬試験が各大手塾(SAPIXや日能研、四谷大塚など)で行われます。
これらの模試を入試当日を想定して受けるようにしましょう。
本番のつもりでやることで、入試当日の流れをイメージしやすくなり、入試当日の緊張を緩和できます。
自分が普段してしまいがちなミスや、試験当日に行う流れをメモに書いて実践することで、試験当日に慌てることが少なくなるでしょう。
例えば
・忘れ物をしないように試験当日の持ち物を書いておく
・名前の書き忘れに注意すると書いておく
・頭が真っ白になったら一度ペンを置いて、深呼吸をする
・考えても答えが出なかった問題の場合、次の問題を解き始める
・休憩時間にお手洗いに行くなどきちんと休憩する・終わった問題の答え合わせをしない
などがあげられます。
メモに書いておいたのに、模試でうまく実践できなかったことを、受験本番で絶対にできるように意識をしましょう。
志望校を決定して、対策スケジュールを立てよう
上記の模試の結果を受けて、志望校を決定するようにしましょう。模試の結果から、志望校に合わせて残りの短い時間で何ができるかを考えていく必要があります。志望校に合わせた最後の調整を、早く始められるように12月中に志望校を決めるようにしましょう。
このとき併願校も決めて、受験当日までの勉強のスケジュールを立てるようにしましょう。自分の成績や状態に合わせて、併願校の勉強はいつから始めるのか、具体的にいつまでに何をするのかを決めておくようにしましょう。
勉強のスケジュールを立てる際に注意していただきたいことは、過密すぎるスケジュールを立てるということです。やるべきことが多すぎると、やっつけ仕事のように勉強してしまい、受験までにうまく調整ができません。調整できないまま入試当日を迎えてしまい、失敗してしまう人は多くいます。できる範囲でやるべきことを考えてスケジュールを立てましょう。
出願の準備をしよう
多くの中学校では1月中に願書の提出が求められますが、12月のうちから出願の準備をしておくことを推奨します。というのも出願には、願書、写真、内申書、調査書等の多くの書類の提出が求められるからです。
そのため、1月から準備を始めてしまうとバタバタしてしまい、精神的に負担がかかることが多いです。必ず12月のうちから動き出して余裕をもって行動しましょう。具体的には以下のことをして、準備してください。
・内申書・調査書の作成を通学している小学校に依頼する
・証明写真を撮っておく
・願書を作成する
内申書や調査書は自分では準備ができないので、あらかじめ担任の先生に相談して、期日までに作ってもらうようにしましょう。個人面談や電話などで、出願についてわからないことがあれば相談に乗ってもらうこともできます。中学受験をする意思があることはあらかじめ伝えておくとスムーズにコミュニケーションが取れます。
証明写真についても、募集要項をよく読んで、必要なサイズのものを少し多めに取っておくようにしましょう。1月になってから撮ろうとすると、切羽詰まっている状況で、撮りに行く時間をもったいなく感じてしまうお子様もいます。余裕のある12月のうちにあらかじめ撮影しておくことをお勧めします。
願書の作成についても、志望動機や受験の自己紹介など多くの作文が求められるので、余裕がある12月のうちに塾や学校の先生に確認してもらいながら執筆しておくことがおすすめです。
その他、各学校ごとに必要なものは異なりますので、必ず募集要項をよく読んでから、必要なものをできる限り早く準備しておくようにしましょう。
中学受験の1週間前は息抜きも大切
中学受験の1週間前になると適度に息抜きをすることも大切です。これは、勉強から離れる時間を作ることで、入試当日に俯瞰して物事を考えることができるようになるためです。
実際、入試本番で失敗してしまう人は、入試当日まで張りつめて勉強してしまった人に多いです。普通なら絶対にしないようなミスや失敗をしてしまいます。
たまには外食をしたり、テレビやYouTubeを見たりするのがいいです。また家族との談笑を楽しんだり、入試会場の周りを散歩したりと緊張やプレッシャーがまぎれるようなことをしてみるのがおすすめです。
中学受験直前期の保護者のサポート
小学生が意識的に受験直前の自分を俯瞰してみることは、大変難しいです。そのため、お子様の視野が狭まっていないか、勝手に自分を追い詰めて精神的に負担がかかっていないかを保護者が様子をみてサポートしておくことが重要です。
そこで、保護者がとるべきサポートを解説していきます。
受験当日に必要なものを調べてあげる
入試本番に必要なものは何か、受験は何時からか、などをすべて調べてあげるようにしましょう。小学6年生の子供では、自分で調べても「本当に大丈夫かな?」と不安に感じてしまいます。
保護者が調べて本人に伝えてあげることで、お子さまは不安を感じることなく勉強に集中することができるようになります。
入試会場の場所はもちろん、試験時間や持ち物チェック、出願等の下調べをしっかりとするようにしましょう。わからないことがあれば、学校に問い合わせたり、塾に聞いてみたりすることがおすすめです。
たまには息抜きができるようにする
上に示したように受験生は直前期に息抜きをすることが重要です。しかし、息抜きを自ら行える人は少なく、勉強ばかりして視野が狭まってしまっている人が多いです。
そのため保護者が息抜きができるように提案するようにしましょう。ご飯の時間にいろんな話をしたり、たまには散歩に連れ出したりするなどをして子供が勉強から離れる時間を作れるようにしましょう。
こうした時間に子供は入試本番の想像をして心の準備ができたり、俯瞰して自分のことを見ることができるようになり、精神面の安定を保てます。
なお、中学受験直前期は、感染性胃腸炎やインフルエンザ、ノロウイルスが蔓延しており、慢性的に感染拡大しているコロナウイルスなどがありますので、外に連れ出すときは感染症に十分に注意するようにしましょう。
過信ではなく安心をさせてあげる
子供がしてきたことや子供の実力を完全に把握している保護者はいません。子供が不安を抱えているときに、無責任に絶対に合格するや、絶対にできるなどというのは逆効果なので気を付けましょう。
こういった根拠のない応援はプレッシャーになり、負担を感じてしまう子供が一定数います。また真に受けて不安を解消しても、過信した状態だと、入試本番に解けない問題に遭遇した瞬間にパニックになってしまう危険性があります。
子供の不安に寄り添うとは過信を持たせることではなく、安心を与えることです。周りの受験生も同じように不安を感じていることや、入試問題はもともと難しいこと、後で説明する合格が絶対ではないことなどを伝えてあげて安心させてあげるようにしましょう。
入試において一番大事なのは実力通りの結果が残せることです。合否ばかりに気を取られるのではなく、いかに普段通りにできるかを意識できるようにしてあげましょう。
合格が絶対だと思わせない
中学受験をする子供の保護者の多くは、学歴社会を鑑みて、良い大学に入らせるために、良い中高一貫校に入らせることが子供の幸せである」と考えている方が多いと思います。しかし、当然ながら中学受験で失敗しても、高校受験があり、それに失敗しても大学受験に成功すれば、目的は達成します。大学受験に失敗しても、社会で活躍できれば、目的は達成できるわけです。
けれども、そのことを中学入試直前の受験生が考えるのは困難で、子供からは「難関中高一貫校→有名大学」の道しか見えていません。そのため過度に合格を期待するのではなく、受かればいいねというスタンスで、成功への道の一つとして中学受験を頑張ってほしい旨を伝えてあげましょう。
過度の期待や、偏った考えは子供たちの視野を狭めてしまい、逆に合格から遠のいてしまいます。本人の受験を応援する姿勢を示しながらも、負担やプレッシャーを和らげるようにしましょう。
体調管理をしてあげる
体調不良で試験を受けられなければ元も子もないため、受験直前は体調管理に力を入れることが大切です。そのためには以下の3点に注意するようにしてください。
バランスのよい食事をとる
家での食事はもちろん、可能なら塾などで食べるご飯の際、お弁当や簡単な軽食を持たせて、栄養バランスのとれた食事で健康を維持できるようにサポートしてあげましょう。
睡眠時間をしっかり確保する
お子様の勉強時間が長時間になり、夜遅くまでに及ぶ生活習慣にならないようにサポートしてあげましょう。夜型の生活になると、睡眠不足の影響で勉強の効率は落ちてしまいます。少しづつでも良いので、受験本番に向けて徐々に朝型の生活にしていきましょう。
手洗い・うがいをきちんとする
インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症にかからないためにも、帰宅した際は手洗い・うがいを徹底的にするようにしましょう。この時保護者の方に注意していただきたいのはお子様に優しく声をかけてあげることです。受験が近づくにつれ、お子様のメンタル面の負担は大きくなってきます。優しく声をかけてあげることでお子様にストレスを与えないようにしてください。
無理に学校を休むことなく普段の過ごし方をさせてあげる
次に重要なのは、お子様にプレッシャーを与えないようにすることです。
そのために必要なのが「いつも通りに過ごす」ということです。
受験勉強に集中したいから学校を休ませて少しでも受験対策をしたいと思っている方は気を付けてください。1日中家で勉強することはものすごいプレッシャーになってきます。
外に出て体を動かしたり、学校の友達との会話がストレス解消につながったりするので、無理に学校を休ませる必要はないでしょう。
また、受験直前は親子共にナーバスになり、親御さんの声の掛け方が変わったり、食事を豪華にしたり等、いつもと違うことをしてしまいがちです。
しかし、お子様はそのような変化を敏感に感じ取ってプレッシャーを感じてしまいます。
なるべく平常心をもって接し、特別なことを無理に行わないよう心がけましょう。
家庭教師に相談する
受験直前期にやるべきことがわからなくなったり、入試本番のことが知りたくなったときは、中学受験を経験した家庭教師にカウンセリングを頼んだり、直前期の最後の追い込みをかけることも手段としてかなり有効です。
親ではわからない勉強面の相談から、入試本番の状況、心の持ち方、よくあるトラブルまでいろんなことを聞くことができます。入試本番までに払拭したい不安がある方や、最後の追い込みについて悩んでいる方は、ぜひ家庭教師を依頼して相談に乗ってもらうようにしましょう。
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中学受験対策として家庭教師のご利用を考えている方は「中学受験で家庭教師は利用するべき?相場や選び方、メリット・デメリットを解説!」の記事に詳しく書いていますのでぜひご参照ください。
ここからはスマートレーダーについてより詳しく説明していきます。
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