首都圏模試センターによると、2024年春の私立・国立中学校の中学受験者総数は首都圏合計で52,400名で、受験率は過去最高の18.21%となりました。公立中高一貫校のみの受験者約9,000名を足すとおよそ首都圏の小学生のおよそ4.7人に1人が中学受験をしました。この少子化時代にあっても受験者数は依然増加傾向にあり、中学の入学定員に対して志望者が増加しているため、全体の合格率は年々低下し、難関校を中心に合格はますます狭き門となっています。
(出典)https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry004298.php
中学受験をするにあたり、学習塾に通われて対策を行う家庭も多いでしょう。しかし、首都圏ではさまざまな塾が展開しており、どの塾がどのようなお子さま向けなのかを知ることは大変です。そこで「スマートレーダー」は、集団授業を行っている首都圏の中学受験向け学習塾のカオスマップを作成しました。
Contents
カオスマップについて
カオスマップとは、特定の業界における企業やサービスを、その特徴に応じて分類した地図のことです。
この「首都圏中学受験塾カオスマップ」では、首都圏の中学受験における集団塾をストイック系なのかマイペース系なのかの2つに大きく分類し、さらに授業のレベル別に分類しました。
カオスマップの見方・ポイント
本カオスマップを見る際のポイントをお伝えします。
- 塾をストイック/マイペースと授業のレベル別の2つで分類
- 志望校別に3つに分類
マップの上下の枠では塾のスタイルがストイックかマイペースかを示しています。赤枠の中にある塾はストイックな人向き、青枠の中にある塾はマイペースな人向きの塾となっています。
その枠の中でも、塾を難関校志望、上位校志望、中堅校志望の3つのレベルに分けて示しています。
- 縦軸の四角と線で主なレベル層と対応可能な層を表現
緑色の塾のアイコンを囲んでいる四角はその塾の授業のメインターゲットとなる志望校層、縦の線は授業で対応可能な志望校層を示しています。
※当カオスマップを転載及び使用する際には、必ず出典として当記事のURLを載せていただくようお願い致します。また、写真素材等が必要な場合はお申し付けください。ご用意させていただきます。
※当カオスマップ記載のロゴにつきましては、事前に各社様に事前許諾を得ていないものがございます。当マップへの掲載に問題がある場合は、大変お手数ですが「お問い合わせ」よりご連絡ください。速やかに修正させていただきます。
各塾の特徴
カオスマップに掲載されている塾のうち、特に御三家を含む難関校を志望する人におすすめの塾を10個選び、紹介します。
Z会エクタスの特徴
- Z会エクタスとは
Z会エクタスは、栄光ゼミナールが運営する、筑駒・御三家など難関校に特化した中学受験塾です。独自のカリキュラムと指導方法に基づいた経験豊富な精鋭講師陣による密度の濃い授業を実現しており、池袋、吉祥寺、自由が丘、たまプラーザ、渋谷、成城学園前と首都圏に6箇所の教室があります。
少人数指導を徹底し、生徒一人ひとりにきめ細かな配慮とサポートを行き届かせています。毎年難関中学への抜群の合格率を実現しており、2024年度は総在籍数125名のうち、70名が筑駒・御三家・駒東中に合格しています。
- Z会エクタスの特徴
低学年のうちは将来の筑駒・御三家・駒東中合格を目標に作成したオリジナルカリキュラムを用いて指導が行われています。高学年になると、「筑駒・御三家・駒東 最難関スーパー講座」などの特別講座を通じ、1人ひとりの志望校合格に照準を絞った指導も行われるようになります。
少人数制の授業というのが特徴であり、分からないところがあれば先生にいつでも聞けるような環境になっています。また、先生の指導も熱心で、1人1人へしっかりと指導が行われるストイック系の塾となっています。
集団塾の中でも1人1人への熱心な指導や質問をするのに躊躇いのないお子さまにおすすめの塾です。
スピカ(SPICA)の特徴
- スピカ(SPICA)とは
スピカ(SPICA)は、早稲田アカデミーが運営する、最難関中学受験に特化した中学受験塾です。2016年に誕生したばかりの新しい塾で、特に論理力・分析力の育成に力を入れたプログラムとなっています。校舎は自由が丘の1校のみとなっています。
2024年度は在籍101名のうち、開成に65名、筑駒に41名と最難関中学に対して圧倒的な合格率を誇っています。
- スピカ(SPICA)の特徴
筑駒・御三家・灘といった特に男子の最難関中学受験に特化していますが、その中でも筑駒と開成をメインターゲットとしているのが特徴です。上記のように、開成に65名、筑駒に41名と他の塾にも類をみない合格実績を誇っています。小学5年生までは志望校によらない指導が行われていますが、小学6年生になると個別指導もありますが、集団授業の方は筑駒・開成にのみ特化したプログラムになるのが特徴です。とにかく難問に取り組むストイックな指導で、周りの生徒のレベルも高いため、切磋琢磨できる環境が整っています。
難問に対してめげない姿勢やレベルの高い環境をお求めのお子さまにおすすめの塾です。
希学園首都圏の特徴
- 希学園首都圏とは
希学園首都圏は関西発祥で難関中学受験に特化している中学受験塾です。男女御三家・筑駒をはじめとする難関校受験に特化した塾となっています。オリジナルのテキストを使用しており、その内容は毎年リニューアルし、常に最新の情報や傾向を反映した授業が行われています。校舎は目黒、二子玉川、みなと芝浦、横浜、学大、晴海の6校舎があります。
- 希学園首都圏の特徴
希学園は「きつい」「スパルタ」と揶揄する人も多く、「宿題がこなせない」「公開テストで成績が振るわない」という悩みを抱えてるご家庭も多いそうです。また、宿題の量もかなり多く、家のみならず塾の授業の休み時間で解くなどかなりストイックな指導が行われているのが特徴です。 多くの宿題をこなし、授業内外でたくさんの演習を積みたいお子さまにおすすめの塾です。
希学園については、下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
グノーブル(Gnoble)の特徴
- グノーブル(Gnoble)とは
グノーブル(Gnoble)は、サピックス(SAPIX)の元講師が立ち上げた、難関中学受験と大学受験に特化した塾です。
東京を中心に関東に14校の校舎があり、2024年度は在籍689名のうち、偏差値65以上の難関校に300名以上の合格実績を挙げています。
- グノーブル(Gnoble)の特徴
グノーブルはグノーブル独自のオリジナル教材を使用しています。サピックス出身の方が立ち上げた塾ですのでサピックスに内容が似ているところがありますが、より難易度の段階が分けられたテキストとなっています。授業で使うテキストは授業当日に配られるのも特徴の1つです。予習をさせず、徹底した復習主義の塾となっています。そのフォローとして、毎回授業内容に関する解説動画がWeb上で配信されており、お休みしてしまった場合はもちろん、家庭学習で困った際も視聴することが可能です。
段階を踏んでステップアップしていきたいお子さまや、予習に追われるより、復習する方が向いているお子さまにおすすめの塾となっています。
サピックス(SAPIX)の特徴
- サピックス(SAPIX)とは
サピックス(SAPIX)は、首都圏の中学入試において高い合格実績を誇る塾で、難関校志望者を主なターゲットにしています。首都圏においては45校を展開しており、開成には262名の合格、筑駒には98名の合格と最難関校に対し多数の合格実績を出しています。また、その他難関校に対しても多くの合格者を輩出しており、まさに難関校志望のための塾となっています。
- サピックス(SAPIX)の特徴
サピックスは内容が非常にハイレベルであることが特徴です。難関校希望者を主なターゲットにしていr流ため、ついていけなくなるお子様も少なくないほど授業の進度が早いです。
生徒のレベルによってクラスが分けられており、月に1回行われるマンスリーテストと年に3回行われる組分けテストでクラスが決まります。特に組分けテストはクラスの変動幅に制限がないため、一番上のクラスから一番下へ落ちてしまうことや、逆に一番下から一番上まで上がることもできます。クラスによって授業内容も異なるため、この組分けテストの結果が受験結果に直結するとも言われます。
他塾に比べかなり競争意識の高い塾となっているため、最難関校志望で周囲と日々切磋琢磨したいお子さまにはおすすめの塾です。
サピックスについては、下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
サピックス(SAPIX)対策なら、家庭教師のスマートレーダー
早稲田アカデミーの特徴
- 早稲田アカデミーとは
早稲田アカデミーは関東に121校を展開している大手集団塾です。
約7,000名の小学6年生の生徒が在籍しており、難関中学への合格者も多数輩出しています。特に早実や早大学院といった早稲田附属中に関しては合格者占有率が50%を越しており、合格者のうち2人に1人が早稲田アカデミーに通っています。
- 早稲田アカデミーの特徴
アットホームであるものの、体育会系のような雰囲気が特徴である塾として知られています。
実際に「私語のない緊張感のある授業」をスローガンとして掲げ、私語が多く授業の邪魔をしていると判断される生徒に対しては厳しい態度を取ることも多いようです。また、週やその日1日の学習目標を個人で設定することが求められ、自分で学習に取り組むような習慣をつけていきます。
このように環境作りには余念がなく、切磋琢磨できる環境のために少人数制のクラスであったり、志望校別にコースが設けられています。また復習を徹底しており、宿題の量がかなり多いです。
緊張感を持って集中し、宿題を多くこなすことが求められる塾ですので、明るく前向きに勉強に取り組めるようなお子さまにおすすめの塾です。
早稲田アカデミーについては、下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
アントレの特徴
- アントレとは
アントレは、練馬とひばりヶ丘に2校を展開する中学受験専門塾です。
約120名の生徒が在籍している規模の小さい塾ですが、武蔵や城北、栄東といった東京北西部・埼玉の難関校に例年多くの合格実績を出している塾です。
- アントレの特徴
授業はかなり予習を前提にして進められます。少人数制で講師が1人1人に目を配りつつリズムよくじゅご湯が進んでいくのが特徴です。また、授業中に前回の授業内容に関する小テストが毎回実施されています。そのため復習にも予習にも力を抜けないのが特徴です。
ただ、宿題は算数のプリント1枚のみ、と無理なく取り組める分量になっているのが特徴です。量をこなすよりも1枚をしっかりと理解することに重きを置いています。宿題に追われすぎることもなく予習に取り組むことが可能です。
西東京周辺にお住まいの方で難関校受験を考えているお子さま、予習も復習もバランスよく行いたいお子さまにおすすめの塾です。
駿台・浜学園の特徴
- 駿台・浜学園とは
駿台・浜学園は大学受験に精通した駿台と関西で圧倒的な合格実績を誇る浜学園が手を組んで設立した中学受験専門塾です。双方に蓄積された中学受験・大学受験のノウハウを集約することで、中学受験のその先にある東大・京大・医学部といった難関大学合格を見据えた指導を展開する塾です。
首都圏には6校を展開しており、まだ9期生を輩出したばかりの新しい塾ですが開成や筑駒にも合格者を出しており、近年合格実績が右肩がりの塾です。
- 駿台・浜学園の特徴
駿台・浜学園では一切予習をする必要のない徹底した復習主義が特徴です。加えて、授業の最初に前回の授業の学習内容の復習テストが実施されます。また、宿題ノートの提出もあり、宿題がやり切れているかのチェックとノートが正しく丁寧に書かれているかどうかをチェックされます。
クラス分けもあり、2ヶ月に1回、毎授業行われる復習テストと月に1回行われる公開学力テストの総合成績によってクラス編成が行われています。
予習をするのが苦手で復習メインの指導を求めているお子さまや、ノートの作り方など基本からしっかりと学習して難関校レベルまで伸ばしていきたいお子さまにおすすめの塾です。
ジーニアス(Genius)の特徴
- ジーニアス(Genius)とは
ジーニアスは首都圏に8校を展開する中学受験専門塾です。近年合格実績を伸ばしてきている塾の1つで、渋渋や渋幕、鷗友、吉祥女子といった難関校を中心に多数の合格者を輩出している塾です。
- ジーニアス(Genius)の特徴
ジーニアスは算・国・理・社の4科目の指導を行っていますが、理科と社会に関してはオンライン授業なのが特徴です。校舎では算数と国語の1クラス9人の少人数制授業を行っています。
また、志望校別の対策がしっかりとできるのも特徴の1つで、40コース以上の志望校別特訓コースが用意されています。加えて筑駒オープンや渋渋オープンなどジーニアス独自の志望校別模試も行っており、本当に行きたい志望校に特化した指導を受けることが可能です。
エルカミノの特徴
- エルカミノとは
エルカミノは4科目の指導の中でも特に理系科目、算数の指導に重きを置いて指導を行っている塾です。
首都圏に14校を展開しており、中学受験コースの他にも算数オリンピック講座や筑駒算数講座といった算数教育に力を入れている塾です。合格実績としては開成や聖光学院など災難観光への合格者も多数輩出しています。
- エルカミノの特徴
算数教育に力を入れているのが特徴で、3年生までの授業では算数パズルを使い解き方を教えるのではなく生徒が自分の力で答えを出せるように導いていきます。生徒は解法が分からず苦しみながらも自分で気づいて正解することが求められます。
算数の学習を通じて他の科目でも使えるような論理的思考力を鍛えていくような塾ですので算数が得意だったり好きなお子さまにおすすめの塾です。
エルカミノについては、下の記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
進学館ルータスの特徴
- 進学館ルータスとは
進学館ルータスは2023年2月にベネッセグループが東京の渋谷に開講した塾で、1期生が4年生からのためまだ中学の合格実績はない新進気鋭の塾です。首都圏には渋谷、吉祥寺、勝どきの3校が展開しています。
- 進学館ルータスの特徴
進学館ルータスは集団塾でありながらも個別指導も並行して行う唯一無二の授業スタイルを持つ塾です。1クラス10人以下の集団指導に加え、プロ講師の1対1の個別指導がカリキュラムに組み込まれています。5-6年生向けには帰宅した後も質問できるオンライン教室も実施されており家庭学習へのフォローも手厚く行っています。コースは難関中学受験コースのみで、入塾テストでふるいにかけられたレベルの高いお子さまが集まって切磋琢磨できる環境が作られています。
集団授業がいいけどたまには個別指導でフォローしてもらいたいお子さまにおすすめの塾となっています。
まとめ
さまざまな塾が展開する首都圏の中学受験塾業界ですが、その塾のスタイルや特に強い偏差値帯や学校というのは異なります。カオスマップを通して一体どのような塾が首都圏には存在し、それぞれどのような特徴を持っているのかを理解する一助となれば幸いです。
中学受験対策として塾に通われる方も多いですが、同時に家庭教師を活用するご家庭も最近は増えてきています。スマートレーダーでは難関大在籍中の6,000人以上の先生の中から志望校出身の先生を探すことができます。志望校出身の先生を検索できるので、その志望校の傾向と対策を経験に基づいて指導してもらうことができます。また、入学後の話なども先輩から直接聞くことができます。
また、通っている塾出身の先生を探して、その塾に合った復習方法などの勉強習慣のアドバイスをもらうことも可能です。また、塾に組分けテストやクラス分けテストなどがある場合は、そのテスト前の指導のみ単発で依頼することもできます。組分け/クラス分けテスト前にしっかり授業を復習することができます。
スマートレーダーでお子さまに合う先生を見つけてみませんか?さっそく以下のボタンから志望校出身・同じ塾出身の先生を探してみましょう。