中学受験の「国語の勉強法」とは?苦手克服や点数アップのコツを単元・分野別に徹底解説!

「子供の国語の点数が伸びない」「国語のセンスを磨くためにどう勉強すればいいかわからない」と悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。

国語は他の教科と比べると勉強法が分かりづらく、答えも1つではないケースがあります。そのため「国語はセンス」と思っている方も多いようです。

そこでこの記事では、国語の読解力や勉強法・解き方のコツとオススメの参考書を合わせて紹介しています。中学受験をしようとしているご家庭はもちろん、中学受験をしないご家庭にも参考になる内容ですので、是非ご一読ください。

算数と社会と理科に関しては以下で紹介していますので、こちらを参考にしてください。

【中学受験】算数が苦手・できないお子様の効率的な成績の伸ばし方は?

中学受験の「社会の勉強法」とは?苦手克服や点数アップのコツを単元・分野別に徹底解説!

中学受験の「理科の勉強法」とは?苦手克服や点数アップのコツを単元・分野別に徹底解説!

中学受験における国語の特徴は?

近年の中学受験の国語では特に問題の文章量が多くなっている傾向にあります。

文章量が多いということは、文章を素早く読み、出題内容を瞬時に理解して正確に解く力が求められます。普段から文章に読み慣れておき、参考書や問題集で多くの類似問題に触れることが大切になるでしょう。

また、国語では、思考力を問われる問題が増加傾向にあります。知識問題の応用のような内容で、ただ知識を問うのではなく、自分の考えを述べさせることで、思考のプロセスをチェックしています。

加えて近年では、「教科横断型」と呼ばれる新傾向の問題も出題されるようになりました。教科横断型とは、名前の通り教科の垣根を超えた内容の問題のことで、国語であっても算数や理科、社会のようなグラフや図表の読み取りができないと問題が解けなくなってしまうのが特徴です。

中学受験の国語の勉強はいつから始める?

お子様の中学受験をお考えの親御様の中には、いつごろから国語の勉強を始めるべきかという疑問をお持ちの方も多くいらっしゃるかと思います。

結論から述べますと、中学受験対策を始めたその日から国語の勉強を始めるべきです。

多くの中学校では、国語は算数と同じく高い配点の傾向にあるように、中学受験をする際に国語は外せない科目の1つです。また、読解力は国語のみならず他教科でも問題文を読む上で非常に大事な力となります。

そのため、国語の勉強は早く行って損はありません

小学4年生になるまでには「読み」と「書き」の基礎をしっかり固め、語彙力が定着し、教科書をスムーズに音読できるようになっていることが好ましいです。

しかし、それ以降に中学受験対策を始めた方でも、これからご紹介する勉強法やコツを抑えて学習をすれば十分に国語力を上げることができますのであきらめずに頑張っていきましょう。

国語に限らず、いつから中学受験の勉強をしたら良いか悩んでいる方はこちらの記事を参考にしてください。

【中学受験】準備はいつから始める?塾に通うタイミングや親にできることを解説!

最近の入試の出題傾向とは??

近年、図表やグラフを使って解いていく問題が増えてきており、単に知識力だけでなく思考力を求められるようになっています。

ただし、そのような傾向の中学校が増えているとはいえ、学校によって出題傾向は異なります。なので、お子様の志望校に合わせて、過去問をしっかり研究し、対策を練っていくことが重要です。

国語に必要なのはこれだけ!

ここからは実際に国語力を上げるためにどのような取り組み、意識が必要かご紹介します。

国語力を上げるためには、「読解力」とそれぞれの問題を解くうえでの「コツ」が必要になります。以下でこの2つについて詳しく解説します。

読解力

国語の文章は大きく分けて2つ、説明文物語文に分かれます。

読解力を上げるためには、それぞれの文章の特徴を理解して、正しいアプローチをしてあげることが重要です。

  • 説明文

説明文では筆者の主張等、書かれている内容を理解することが大切です。

特に筆者の主張が現れやすい文があります。

  • 「しかし」と逆説で始まる文
  • 「つまり」とまとめている文
  • 「である」や「なのだ」と断定している文

このように接続詞断定の表現は特に注意して読み進めて行きましょう。

また、あとで問題を解くときに、接続詞などの表現をすぐに見つけられるように、丸印で囲んだり線を引く癖をつけましょう

  • 物語文

物語文では登場人物の心情を理解することが大切になります。

特に登場人物の心情部分が描かれる場面は

  • 「場面の移り変わり」
  • 「登場人物の心情の現れ」
  • 「心情の変化のきっかけとなる出来事」

このような場面で出てくる、「うれしい」「悲しい」といった感情表現については、問で深く聞かれることが多いので、すぐに見返せるように丸印で囲んだり線を引く癖をつけましょう。

このように「説明文」「物語文」ともに、上記で解説した重要な部分を丸印で囲んだり線を引くことが読解力を上げるうえで非常に重要な作業となります。

勉強法・解法のコツ

他教科と同様に国語にも暗記事項や問題のパターンがあります。

暗記事項の勉強法やパターンごとの解法のコツを抑えるだけで得点につながりやすくなります

これから勉強法・解法のコツを紹介していきます。

  • 漢字・ことわざ・慣用句の勉強法

漢字、ことわざ、慣用句を覚える際は、毎日覚える個数を決めて練習をしながら学習するようにしましょう。また、その覚えたものを定期的に覚えているかを確認することが大切です。

ただやみくもに何個も覚えようとしても集中力がなくなってしまうだけなので、毎日個数を決めて習慣化させましょう。

そして1度覚えたからと言って、長期間覚えられるはずがありません。その日の夜にもう1度、次の日にもう1度、そして1週間後にもう1度というように定期的に復習していくことで初めて定着していきます。確認作業は必ずするようにしましょう。

また、ことわざや慣用句は由来を理解することで知識の定着がしやすかったり、類似のものや意味を忘れてしまったものの場合でも推測することができるようになります。

  • 選択問題のコツ

選択問題のコツは消去法で考えることです。

国語の答えは全て文章の中に書かれているので、間違っている選択肢は本文中に、不適切であるという根拠が書かれているか、そもそもそのようなことは一切書かれていないというどちらかしかありえません。問題文と本文を一つずつ丁寧に照らし合わせましょう。また、最後に残った正解の選択肢が本文中で書かれているかもしっかり確認しましょう。

また、選択肢を消去していく際に、受験生をひっかける表現がいくつか存在します。以下でご紹介していくので、今後のテストで引っかからないよう注意しましょう。

不適切な選択肢の頻出パターン

  • 「だから」「なので」「によって」等の因果関係を示す表現

因果関係が逆になっていたり、間違っている場合があります。

また、そもそもその因果関係が記述されていない場合もあります。

例) 日本人は背が低いから、野球が強い。

→背が低い「から」野球が強いわけではない。

  • 「必ず」「まったく」等の強調表現

「必ず」「まったく」という表現は言いすぎている可能性があります。

例) 外国人は挨拶する際に、必ずキスをする。

→「必ず」ではなく、そのような傾向にあるだけ。

  • 「~よりも」等の比較表現

比較対象が間違っていたり、逆のことを言っていることがあります。そもそも比較されていなく根拠のないことを言っている場合があります。

例) 日本人はアメリカ人よりもはっきりと物事を言う民族である。

→アメリカ人が日本人「よりも」そのような傾向にある民族なのである。

  • 「〇〇と××」という表現

〇〇・××の片方、もしくは両方、間違っている場合があります。

例) 日本食を代表するのは、パンとハンバーグである。

→「パンとハンバーグ」ではなく、ごはんとみそ汁である。

  • 抜き出し問題のコツ

接続詞などに注目して抜き出す候補となる段落にあたりをつけましょう。また文の終わりから文字数を数えることで、どこまで抜き出すかを決めやすくミスが減りやすくなります。

例)

本文「ある夏の日の夕方、太郎は海辺で友達と過ごしていた。35℃を超えたお昼時とは異なり、ほんのり肌寒い海風を感じながら、笑い声が交わる中、夕日を見て心が躍り、まるで故郷にいるかのような気持ちになった。」

問題「夏の日の夕方に太郎は友達と海辺にきてどのような気持ちになったでしょうか?本文から16文字で抜き出しなさい。」

このような問題があったとすると、今回の答えは「まるで故郷にいるかのような気持ち」となります。しかし、その直前の「夕日を見て心が躍り」も気持ちの表現のため答えに含むべきか迷う方もいるかもしれません。

このような時には、見当がつきやすい文末から数えていくことをお勧めします。

今回、問題文では「どのような気持ち」かを問われているので文末は「気持ち」になるはずです。それに合うように「気持ち」の「ち」から16文字を数えていけば「夕日を見て心が躍り」を入れるかどうか迷うことなく抜き出すことができ、時間短縮にもつながります。

  • 記述問題のコツ

記述問題で大事なことは、まず端的に一言で表せるようにしてから、より詳細な情報を字数に合わせて付与していくようにしましょう。

記述問題と聞くと解答に要する文字数が多く、見るだけで嫌になってしまう子も多くいます。

そのような子の多くは、自分で文を作ろうとする癖があります。しかし、記述問題も抜き出し問題のように文章からそのまま引っ張ってくるだけで高得点が狙いやすくなります。

端的に一言で表した結果が答案と模範解答で一致しているか、また一致していない場合は解説をしっかりと読んで理解しましょう。

詳細の情報については、自分の答案と模範解答を比較して、なぜその情報が必要なのか、なぜこの情報はいらないのかという理由まで確認しましょう。

次に、説明させる問題の場合は言い換えを意識しましょう。

「~とはどういうことですか」と言った問題では、そもそも問題文自体がすでに解答の軸となっていることがほとんどです。なので、その問題文を言い換える方法を考えましょう。

具体的には問題文をいくつかの要素に区切り、本文中から他の表現を見つけて、それに変換していきましょう。

その作業をする際に、問題文に「/」(斜線)を入れて、要素ごとに1つずつ見えやすくするようにしましょう。

オススメの参考書・問題集ピックアップ

ここからは難易度、単元ごとに分けて、おすすめの参考書・問題集をご紹介します。お子様の国語力や志望校、苦手単元に合わせて、是非参考にしてみてください。

読解

基礎

中学入試国語のつまずきを基礎からしっかり 文章読解

国語の初学者や国語が苦手な小学生におすすめな参考書となります。つまずきやすい国語読解の基礎的な課題が厳選されています。また、例題で解き方のコツをつかみ、マスター問題で学習の理解度をチェックすることもできます。

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中堅~難関

中学受験国語 文章読解の鉄則

灘・開成・麻布・慶応・早稲田などの入試問題が収録されており、難関・中堅校レベルの中学受験を考える受験者におすすめの参考書となります。また、文章読解のルールと語彙が丁寧にまとめられているだけでなく、保護者からの相談も掲載されていて、中学受験の現状を知ることができます。

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物語文

中学受験 合格する国語の授業

物語文を解くうえで避けて通れない「感情語」が使えるようになる1冊です。ジーニアス先生の分かりやすい授業を再現し、初見の物語文の展開を問題なく理解できるようになります。

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語彙力

中学受験国語の必須語彙2800

文章読解力を向上させるために必ず必要な語彙をこの1冊で身につけることができます。問題付きで重要度もA・B・Cと3段階に分けられているため、効率的に学習できます。中学受験国語をするうえで外せない参考書の1冊となります。

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四字熟語

中学受験ズバピタ 国語 四字熟語

全項目を入試に出る順にA・B ・C の3段階で分類分けされており、目指す中学のレベルに合わせて学習すべき範囲を絞って、効率的に覚えられるようになっています。

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ことわざ・慣用句

中学受験ズバピタ国語慣用句・ことわざ 新装版

上記と同じように全項目を入試に出る順にA・B・Cの3段階で分類分けされており、関連のある慣用句やことわざをまとめて覚えられるように配列されています。

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漢字

中学受験 国語合格パズル(2)

難易度は比較的易しく、パズル形式で楽しく漢字や熟語を勉強することができる参考書になります。親子でも楽しむことができ、やっているうちに知らず知らず思考力をつけることができます。

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共通

国語ベストチェック 改訂新版

中学入試国語で必要な学習内容を41項目に分けており、1項目ごとに重要なポイントを丁寧にまとめられています。1日に1項目ずつ取り組めば約1カ月半で入試に出る国語のすべての分野の基礎を学習することができます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。中学受験において国語の効率的な勉強法や解法のコツを活用を紹介しました。

中学受験で成功するためには、志望校の出題傾向やお子様の苦手分野の対策方法を把握することが大切です。

保護者の方はお子様をしっかりとサポートしてあげて、中学受験までの長い道のりの中でしっかりとスケジュールを立てたり、お子様の勉強の振り返りを行うようにしてあげてください。

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