【阪大】【人間科学部】N.T先生の場合

本記事の目的

本記事では、家庭教師マッチングサイト スマートレーダーに登録する先生から聞いた、実際の大学受験体験を掲載しています。

大学受験を突破し超難関といわれる大学に進学された先生の当時/今の性格やご家庭環境、塾環境など生の実体験を公開することで、大学受験を目指す生徒ご本人、協力する親御様の方向性の再確認、勉強への正しい向き合い方、そして大学受験後の次なる目標を見つけていただくことを目的としています。

体験記

当時のあなた/今のあなたについて紹介してください!

小さいころから「新しいことを知る」のが好きな人間だったように思います。保育園時代には恐竜と古代エジプト王朝が大好きで、将来は考古学者になりたいとよく言っていました。小学校時代には図書室にあった「学研のまんがでよくわかる! ひみつシリーズ」を片っ端から借りては、授業そっちのけで読みあさっていました。また、家に出てきたムカデの歩き方が不思議で、瓶で捕まえて観察しようとして怒られたりもしていました。中学生・高校生になると、それまでに比べて「勉強すること」を先生から求められるようになり、純粋な興味を伴わない学習がなんとなくおもしろくなくなって、あまり勉強しなくなりました。好きなことや「おもしろい」と思ったことにはとことん没頭するけど、興味がなかったり外から要求されたりだと全然集中力が続かなかったり反発したりしていた感じです。総じて、かなりマイペースで気分屋な人間なんだと思います。

行っていた習い事/部活などはありますか?

野球、書道(県で一位になった経験あり)

中学、高校を通じて学校での成績はどうでしたか?

田舎の学校だったことや人数が少なかったことなどもあり、テストの成績については中学と高校を通じてほとんどトップでした。内申についても、中学・高校を通じて、学業面ではほとんどの科目で最高評価をもらっていました。

塾や家庭教師は利用されていましたか?

塾の利用経験も家庭教師の方に教わった経験も一切ありません。家庭の事情もあって、学習について学校の外部に頼ることはありませんでした。勉強については、中学生時代、高1高2時代にはほとんどしていませんでした。唯一意識していたこととしては、「授業内容は授業中に完全に網羅してしまう」というのがありました。先取りをしたりすると、自分の場合かえって知識の整理がつきにくくなることが多かったので、とにかく一つ一つの授業についてその時間内に内容をなるべく把握してしまうことに徹していました。

また、授業の中で分からないことがあったときには、できるだけ先生に【頼らない】ようにしていました。この点については、他の皆さんとかなり違うのではないかと予想しています。これはあくまで自分の場合ですが、自分で作業して分からない部分を解決したほうが、よりそれが頭の中に残りやすく、また自分のものにしやすかったので、この方法を実践していました。先生に聞いてしまうと、「先生の理解の仕方」に沿った説明は聞くことができますが、それを「自分の理解の仕方」に落とし込む前に満足してしまい、結局のところ自分のものになっていないケースが多い気がしています。今の時代、「ネット」という万能なツールがあるので、それを活用して自分の手で分からないことを解決するのも難しくないのではないでしょうか。

高3になってようやく本格的に受験勉強を始めました。前半は、一つ一つの問題にじっくりと時間をかけて、多少分からなくても粘り強く取り組んでみることを意識してやっていました。田舎の高校で志望先に合わせた指導というのがほとんどなかったため、過去問などに手をつけると難易度が跳ね上がって八方塞がりになりがちでしたが、それでも食らいつき無理やりにでも答えを捻り出すことで、正答と照らし合わせたときに、自分の思考のプロセスのどの部分が誤っていたのか、あるいは他にどのようなアプローチがあったのかなどを、よりはっきりと理解することができました。

後半は、前半で鍛えた思考力を利用して、スピードを意識して問題を解く訓練を積みました。特に、前半で時間をかけて問題に向き合ってきたので、大抵の問題についてぱっと見でどれくらい解答に時間がかかりそうかを推測し、いわゆる「捨て問」と呼ばれる問題を判断できるようになりました。センターに向けた演習も、このスピードを意識して解く訓練と並行して行いました。限られた時間の中で解くというのが大の苦手だった自分にとってはかなり苦しい期間でしたが、やっただけあってセンターでは自己最高点をマークすることができました。センター後の二次試験対策では、もう一度前半の方式に戻って、一つ一つの問題に丁寧に取り組むことを意識しました。こうすることで、センター特有のスピード感から一度離れて、二次試験に向け思考のスイッチを切りかえることができたと思います。

受験勉強を始める前の1日の勉強時間/受験勉強を始めた後の1日の勉強時間はどの程度でしたか?

開始前:30分未満、開始後:3時間程度

各科目毎の勉強法はどんなものでしたか?

現代文
とにかく読みました。問題を解くよりも問題を読むほうに時間をかけていたと思います。現代文は問題によって点数が大きく変動していたので、どんなテーマの問題文にも対応できるよう、教科書や問題集に載っている文章を片っ端から読むようにしていました。そうすると、次第に文章を読む速度が上がっていき、また自然と教養もついて、点数云々のみならず全体的な能力が向上したのではないかと思っています。

古典
大の苦手でした。とにかく文法と古典単語を暗記することに徹しました。あとは現代文と同じようにとにかく読んでいました。感覚としては英文を解釈しながら読むのと同じ感じでしたね。個人的に苦手意識の強い分野だったので、お話そのものを楽しむ気持ちで取り組んで、興味や意欲を維持するように心がけていました。

数学
好きな科目だったこともあって、とりわけ何か特別な勉強法があったわけではなかったと思います。同じように数学が得意な友人たちと問題の出し合いをしてタイムアタックをしたりもしていました。唯一意識していたこととしては、分からない問題であったとしても何かしらの思考のプロセスを書き出すようにしていたことです。これによって、自分の論理のどこが矛盾していたのか、何が原因で行き詰まったのかなどが、目に見えるかたちで記録できました。数学で最も重要になってくるのは論理だと思っています。自分の論理の偏りを理解し、正解に近づくように矯正していくのは欠かせない作業なのではないでしょうか。

英語
「習うより慣れろ」が一番だと思います。そもそも英語は言語です。我々が小さいころから日本語に「慣れていった」のと同じようにして、英語も「習う」のではなく「慣れる」ほうが吸収が早いのではないでしょうか。もちろん文法の理解などのために参考書を使うこともありましたが、自分の場合はとにかくスピーキングとリスニングを意識して学習するようにしていました。この方が自分にとっては、語彙も用法も断然頭の中に入ってきやすかったです。また、受験英語だけに特化しすぎると「使える」英語は身につきにくいと思っています。まずは自分の体から英語に慣らしていくと、スムーズな学習につながるのではないでしょうか。

物理
とにかくイメージを大事に、かといってイメージに囚われすぎないように、そのバランスがキーになると思っています。物理で出てくる現象のほとんどは、頭の中でイメージできるものだと思います。電気分野についても、電流や電子の流れを回路図に書き込んでいけば、だんだんと頭の中でイメージを構築できるようになっていきました。物理で大切なのは、前述のような物理に特有の現象のイメージと、数値計算などによって導かれる数学的な論理の、二本の柱をもつことです。イメージに頼ってばかりだと、実は論理的に破綻していたなんてことがしばしば起こってしまいます。逆に数値計算にばかり頼っていると、「今なんの計算してるんだっけ?」みたいに迷走してしまうことがあります。イメージと論理をバランスよく鍛えていくと、効率が良いのではないかと思います。

化学
理論化学、無機化学、有機化学のそれぞれの分野によって、勉強法は変わってくると思います。一番大事なのは理論化学だと思っています。ここがしっかり理解できていないと、無機化学や有機化学を学ぶときに暗記した断片的な知識しか残らず、複数分野にまたがった問題や計算問題などに対処できなくなってしまうからです。逆に言えば、理論化学を確実にマスターできてさえいれば、あとの無機化学と有機化学は暗記ゲーです。理論化学の基盤に、無機と有機の知識を組み合わせていけば、着実に理解は深まっていくと思っています。

世界史
とにかく暗記です。これに限ります。ただ、単発知識の詰め合わせではあまり意味がありません。歴史的な事象について、その背景や因果関係まで理解しておくと、一見すると無関係だった事象が、実はとても大きな影響を及ぼし合っていたなんてこともよくあったりします。知識を網の目のように絡み合わせていくイメージで覚えていくと、より深い理解につながると思っています。

使っていた教材/おすすめの教材

基本的に学校で購入した教科書や資料集などを活用していました。その中でも特に役に立ったと思う教材を紹介させてもらいます。

数学:青チャート
英語:DUO3.0

青チャートは解答を記述するうえでのポイントが詳細まで載っています。また、別解などの紹介や役立つコラムも満載です。量は多いですが、ちょっとずつ進めていけば着実に数学の力はつくと思います。各章末にあるエクササイズや最後にある演習問題はかなりレベルの高い問題になっているので、腕試しにおすすめです。

DUO3.0は単語帳です。自分は一個一個の単語がバラで載っているものだと覚えにくかったので、例文で覚える形式になっているこれを別で購入しました。例文を丸ごと覚えることで、語彙のみならず用法もそのまま暗記することができます。また、中盤から例文がかなりふざけてきます。単純におもしろいので素直に頭に入ってきました。シス単のようなタイプの単語帳が合わない人や、用法まで一気におさえてしまいたい人にオススメです。

成績はどのように変化していきましたか?

自分の高校では進研模試と全統模試がほとんどでした。総合成績では、進研模試は偏差値75〜80くらい、全統模試は偏差値65〜70くらいをいったりきたりしていました。

数学がとりわけよく、進研模試では偏差値80を、全統模試では偏差値70を超えることも少なくありませんでした。国語については模試によって波が激しく、偏差値では70代後半のときもあれば50代前半のときもありました。英語は高1当初で偏差値50ぴったりとかなり危機的状況でしたが、前述の「習うより慣れろ」の勉強法で高2の中盤あたりからは偏差値70を超えることができるようになってきました。理科と社会はかなりネックでした。だいたい偏差値50〜60くらいで、たまに跳ねることがあったくらいでした。

そもそも授業の進度が遅いので模試の出題範囲に追いつかず、問題の半分も解けないなんてことはザラにありました。全範囲が終わったのが高3の12月ですからね。今思えばやっぱり先取りしてたほうがよかったのかなと感じたりもします。かなり追い詰められた状況ではありましたが、どちらの科目も本番前にはそれなりの完成度まで仕上げることができたように思います。

合格した学校を教えてください

大阪大学、同志社大学

進学した学校を教えてください

大阪大学

入学後の学校の印象はどうでしたか?

コロナ禍もあって、まだ大学生らしいことは何もできていない状況です。人間科学部には1回生の間に「人科祭」なるイベントがあったそうなのですが、緊急事態宣言もあって結局なくなってしまいました。授業もオンラインなので友だちづくりが難航している真っ最中です。早くこのパンデミックが終息することを祈るばかりです。できれば、「人科祭」をどこか別の機会にやってみたいですね。

合格の秘訣は何だったと思いますか?

勉強に特化せず高3という期間を過ごせたことにあると思います。正直、自分は進路が決まるのがめちゃくちゃ遅かったです。ずっと迷ってばかりで、高3の12月でさえまだ志望先が確定せずフワフワしているような状況でした。ただ、その分だけ周囲と進路に関して真剣に話し合えたし、「何のためにそこを志望するのか」「そもそも自分は何がしたいのか」について深く自問自答することができました。結果として、文理にこだわらず興味をもったものに取り組める学際系の学部に焦点を定めることになりました。この選択そのものも結局フワフワしている感じが否めないのですが、こうやって自問自答を繰り返していく作業が自分のモチベーションを保つのにとても有効だったと思います。勉強は所詮手段に他ならず、それをもって自分が何をしようとするのかを明確にすること、あるいはそれについてじっくりと考え自分と向き合ってみることが、受験を単なる勉強で終わらせないために必要なことなのではないでしょうか。

最後に一言ください!

受験が多くの人にとって苦しい戦いである理由は、受験における尺度が「点数」というたった一つのものさししかないことにあるのだと思います。しかし、受験を終えた先の人生で価値の尺度が「点数」のみに限定されることはもうほとんどないでしょう。模試の点が良ければ嬉しく悪ければ辛くなるのは受験生にとって当たり前のことだとは思います。ただ、そこで立ち止まって「何のために自分はこうして勉強しているのか」を考え、受験の先にある人生を少しでもいいから想像することによって、格式ばった受験というイベントにより大きな意義を与えることができるはずです。受験生の皆さんが無事に受験を突破して、その次のステップを踏めることを願っています。

今回紹介する先生に関する運営コメント

受験勉強において志望校の設定、目標の設定は非常に重要です。目標設定までのプロセスも勉強へのモチベーションを保つのに大切な要素になってきます。先生のおっしゃる様に受験の先を見据えた目標の設定が鍵となりそうですね。

この先生に勉強を教えてほしい方へ

この先生は、家庭教師マッチングサイト「スマートレーダー」に在籍する先生です。

スマートレーダーでリクエストを行うことで、指導をお願い/記載内容についてより詳細に聞くことが可能です。

スマートレーダーとは

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特に地方にお住まいで難関大学合格を目指す生徒さんや自宅で行う家庭教師に抵抗のあった保護者様などにオススメです!もちろん、今まで対面で授業を受けていた方も、移動の必要のないオンライン授業を活用することで先生との時間調整がより簡単になります。

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